就活でよく聞かれる質問に、挫折経験のエピソードを聞く質問があります。
ですが、人間そんなに挫折話であふれているわけがありませんよね。
そんな激動の人生を送っているひとなんて、ほんのひと握りです。
ですが、質問として聞かれるのであればなんとかして準備するしかありません。
そこで今回は、挫折経験がない人のための、挫折経験エピソードの作り方をお話ししていきたいと思います。
就活の質問で挫折経験がないときはどうする?
「挫折経験」と聞くと、ものすごい大失敗をイメージしますよね。
事業を興したけど協力者に逃げられて多額の借金を負ったとか……。
結婚式直前に婚約者に逃げられて自殺未遂をしたとか……。
甲子園の決勝前日に交通事故に遭ったとか……。
いやいやそんな人生送ってきているわけないじゃん、と思ってしまうのも分かります。
たいていの就活生は凡人も凡人です。
そんなに他人に語れるような激動の人生を送っているわけがありません。
じゃあそんな凡人の我々にはこの質問は難しすぎるのか……?と言われると、そういうわけでもないのです。
「挫折経験を聞く」という質問は、そんな大層なことを聞きたいがために聞いているわけではないんですよ。
だって考えてもみてください。
全員に聞くような質問で、そんな面接官も唸るような挫折経験がポンポン飛び出してくるのを期待するわけがないですよね?
じゃあこの質問から何を聞き出したいのかというと、
↓
そこから何を学んで
↓
どうやって挫折を克服したか
というストーリーなんですよね。
このストーリーから、この人は困難にぶち当たったときにちゃんと逃げ出さずに対処できるのか、成長することができる人間なのかを測りたいというわけです。
挫折となる壁が高いかどうかなんてどうでもよいのです。
あなたの記憶に残る失敗で、そこからちゃんと立ち直っている今があるのであれば、挫折というほど大きな失敗経験である必要はありません。
就活で答える挫折経験は受験の話題でもOK?
さて、そうすると多くの人が思い当たる失敗経験があります。
それは、受験の話題です。
第一志望を目指して勉強してきたけれど、結局入試本番では数点足りずに落ちてしまった……という人は多いはずです。
これはわかりやすい挫折経験ですよね。
このエピソードが使えるのであれば、何かしらのストーリーは作れそうな気がします。
では、受験のエピソードを挫折経験として挙げるのはアリなのでしょうか?
正直なところ、他にまったくエピソードがなければ最悪それでも構いませんが、あまりおすすめはしません。
というのも、あなたは今大学生ですよね?
大学生活4年間もあって、その中で何も失敗経験がないというのは、面接官の印象的にはあまりよろしくありません。
面接官の考えとしては、何かを成し遂げようとすれば挫折するはずだと思っている節がありますからね。
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何もチャレンジしてこなかった人
↓
会社に入っても自発的に動いてくれない人材
と思われてしまう可能性があります。
というわけで、できる限り大学時代のエピソードをひねり出せるように頑張りましょう。
また、ほかにも人間関係の挫折経験を話そうとする人もいますが、こちらもあまりおすすめできません。
面接は別にあなたの悩みを打ち明ける場ではありません。
面接における挫折経験の質問は、あくまでも論理的に挫折から学びを得られたかどうかを話す場ということを忘れないようにしましょう。
就活で挫折経験エピソードの書き方は?
最後に、挫折経験のエピソードの伝わりやすい書き方について紹介していきたいと思います。
ここでポイントとなるのは、社会人が好きな枠組みにはめてエピソードを作るということです。
あなたも社会人になると分かることですが、企業では論理的思考力の研修などが頻繁に行われ、そのたびに伝わりやすいフレームワークというものを叩き込まれるわけです。
まあその是非は置いておくとして。
社会人が特に好きなフレームワークとして、「PDCAサイクル」というものがあります。
これは本当に日本企業の人間が大好きな言葉なのですが、
Plan→Do→Check→Act→Plan→……
とサイクルを回していくことで改善を行うというものです。
これに沿って挫折経験のストーリーを作ると、次のようになります。
Do: 何かをしたら挫折した
Check: 挫折から何かを学んだ
Act: その反省を活かして次の行動をした
という流れになります。
まあ現実には完全にこの流れになるとは限りませんが、意識しておくとよいですね。
私が就活生のときは、研究室の留学生との語学の壁をテーマに挫折経験を話しました。
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Plan:留学生とコミュニケーションを取ろうとした
↓
Do:しかし、中国訛りのある英語が全然聞き取れず、かつスピーキングも上手く言葉が出てこなかった
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挫折:今まで英語が得意だと思っていたのは勘違いだったということに気づいた
↓
Check:考えてみれば今までのリスニングはアメリカのきれいな発音ばかりだったし、リーディングがメインだったのでスピーキングができないのも当然。謙虚に英語と向き合う必要があることに気づいた
↓
Act:せっかく非ネイティブのスピーカーがいるのだから、チャンスと思って研究以外の日常会話も積極的に行って英語耳を鍛え、同時に間違いを恐れずにスピーキングの練習も行った。その結果、英語力のステージが一段階上がったと実感できた。
という感じでまとめました。
(まあ、最後の「英語力が上がった」ってのはだいぶ盛っていますが……笑)
日常生活でもサークルでもアルバイトでも趣味のことでも構いません。
何かテーマを決めて、PDCAサイクルの流れが使えるかどうか試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
面接官の求める挫折経験というのは、ものすごい失敗談でなくても全然かまいません。
日常のちょっとした失敗経験を大げさに、そして何かを得たかのように盛って話せばよいのです。
実際の壁の高さよりも、どのようにストーリーを組み立てるかが重要です。
なので、「語れるような挫折経験がない!」と言わずに、今までの大学生活を振り返って探してみてくださいね。