アニメ「やがて君になる」6話が放送されましたね。
いろいろと語りたいことはあるのですが、あらすじとかは他のブログ等でも紹介されているので大胆に割愛して、原作と比較していろいろと思ったことをつらつらと書いていこうかなーと思います。
原作との比較ということで、原作ネタバレを含みますので、この記事を読む際はご注意を。
ここすき
まず語りたいのはCM明けのBパート。
まあ、ストーリーが大きく進むところなのでやっぱりここになりますよね。
中でも、
この直前の振り向きシーン!
漫画だと、目を描かずに振り向きの1カットを入れることで燈子の表情を隠していたのですが、アニメ版では燈子が振り向くのに合わせて背後のカメラを回すことで表現。
この演出……良い……(語彙力不足)
あと、この後の侑のセリフの声優さんの演技もすごくよかった。
「ほんとは寂しいくせに」の声、良すぎませんか???
「もうこの声しかありえない」って感じになります。
後は細かいところですが、ED前の最後のシーン、
ここで電灯が「ジッ…ジッ……」ってなってるの、続く不穏感が表現されていて良いですね。
そしてその予想はED後に現実となると。
ちなみに、地味に好きなのが「私が無邪気に信じてるとでも思った?」のシーン。
この演出は……ちょっと真意は分かりませんが、侑の心が動揺していることを画面を傾けることで表現している?のかなあ。
縦長のコマがテレビの16:9に合わないから横にした、というような単純な話ではないような気がしますが、ちょっとこういう考察をしたことがないので真意は不明です。
ストーリーの再構成について
まずストーリーの構成ですが、当然ですが原作漫画そのままの構成というわけではありません。
アニメの流れであったり、尺であったり、そういったものを考慮したうえで再構成されています。
例えば、7年前の生徒会長が七海姉であることが判明するまでのシーン、これほぼアニメオリジナルです。
原作だと、沙弥香と別れた直後のコマで7年前の生徒会長の正体が判明しています。
アニメだとここからが結構長いですが、30分アニメの尺の都合があったのかもしれません。
7年前の資料を仮に燈子がすべて処分、または隠していたとして、その伏線をアニメで回収するつもりがあるのかは分かりませんし、七海姉と同級生という怜ちゃんの先輩の伏線はもっと回収されなさそう。
いや、この伏線もバッチリアニメオリジナルで回収してくれたら手のひらを返しますが、今のところこの引き伸ばしに尺の調整以外の意図は見出せていません。
ちなみに、原作だと怜ちゃんが何歳かって未公開情報だったような……。21歳なんですね。
後もうひとつ気になった点。
Bパート始まりから川原にたどり着くまでの歩きシーン。
これも原作にはないアニメオリジナルシーンです。
このシーン、ちょっと気になるところがあったので突っ込ませてください。
踏切を渡る→「喫茶店入る?」→「もうすぐ、いつも別れる角だけど……」→「もう少し歩く?」
という流れですよね。
ここで、遠見東高校周辺マップを召喚!
これは原作漫画5巻の裏表紙に描かれている公式情報です。
さて、まず問題の川原のシーンですが、川と電車の高架が交差している点ですので、地図左上の丸で囲った部分で間違いないでしょう。
ですが、そうするといろいろと疑問点があるんですよ。
燈子は遠見駅から2駅離れた場所に住んでいますので、遠見駅から電車に乗ります。
一方で侑の家は駅のすぐ近くです。
この2人が下校して別れる場所としては、駅の南口近くの交差点①か北口近くの交差点②と考えるのが自然です。
ただ、今回のBパートで、踏切を渡ってから「もうすぐ、いつも別れる角だけど……」と言ったことを考えると、いつも別れる交差点というのは②でしょう。
となると、踏切を渡る→「喫茶店入る?」→「もうすぐ、いつも別れる角だけど……」(②の位置で)
となるわけですが、それぞれのシーンが別カットになっていますよね。
3カット挟んでいるのに、進んだ距離は「踏切から②の交差点まで」しか進んでいないというのは正しいのだろうか……?
「喫茶店入る?」という会話が「踏切から②の交差点まで」の間になされるものなのかもまた気になるところです。
もうちょっと喫茶店に近づいてから喫茶店の話題にならない……?
と、ここはちょっと気になるポイントですね。
細かい演出の違いとか
「死んでも言われたくない」の次のシーンでこういうセリフがありましたよね。
このセリフ、アニメだと「先輩はわたしから離れられないって」になっていました。
「先輩はわたしから離れられない」ってすごい自信ですね侑さん。
「離れない」と「離れられない」は些細な違いに見えますが、ニュアンスは大きく異なります。
「離れない」はただの状態ですが、「離れられない」というのは「七海先輩はわたしに依存しているからどうせ離れられないでしょ」といったニュアンスを感じます。
このアニメは原作者さんが監修しているのであまり大声では批判できませんが、この言葉のニュアンスは原作のままでいて欲しかったなあと思います。
その次のシーンも、セリフが少し増えています。
アニメ版だと、「私といて」→「寂しいとき甘えさせて」→「ほかの人を好きにならないで」→「私のことを嫌いにならないで」→「それから……侑……私を……」→「今日は手をつないで帰っていい?」になっています。
これは賛否両論かなと思いますが、より分かりやすさを優先した演出ですね。
アニメで追加されたセリフは、原作漫画では言葉としては発していませんが、燈子がそう思っていることは容易に想像がつきます。
また、「それから……侑……私を……」に続く言葉は、これもCパートまで見れば明らかですが、「私を好きにならないで」です。
一応原作3巻の回想シーンでも答え合わせがありますけどね。
あとは本当に些細な演出の違いですが、
この自販機のシーン。
原作ではこうでした。
原作では缶コーヒーなんですね。
ところで、沙弥香の好きな飲み物はブラックコーヒーです(2巻裏表紙より)。
缶のブラックコーヒーってあんまり美味しくないですよね?(と感じているのは私だけ?)
私も自販機で缶コーヒーを買うくらいだったら、アニメのように紙コップ式のコーヒーを買います。
そこで共感ポイントが上がったので、この演出の改変はいい仕事だなと思いました。
と、いうわけで
いろいろ書いてきましたが、総合的な感想としては、
「アニメ6話、めっちゃいい……」
という感じですね。
原作時点でこの話は好き(というか、原作既読者は全員好きですよね?)でしたが、やっぱりこの話なんですよ。
というわけで、
・原作未読者は原作を買いましょう!!
・原作既読者はアニメと見比べて最高になりましょう!!!
以上です。